計画段階

間取りを考え始めた人におすすめの本紹介

形から入るタイプのぶんたんです。

ヘーベルハウスさんとの本契約後、間取り検討にあたって基礎知識を仕入れるぞ!とこの3冊を購入しました。

家づくりを始めた直後に購入した本を、新居で撮影しました。エモいですね(?)
どの本とも可愛らしい挿絵を添えてフランクな語り口で描かれているので、サクッと読むことができます。ネットで間取りに関する情報は溢れていますが、本当に読んでよかったと思える本だったので紹介します。

住まいの解剖図鑑

一冊だけお薦めするなら間違いなくこの本です。間取りを練り始める前に読んで大正解だったなと感じました。

近頃は家づくり、間取りについてもInstagramやTwitter、Pinterestなど色んなところに情報が溢れています。そして「大正解の間取り5選!」とか「絶対やめとけ!後悔ポイント7点…」とか、キャッチーな言葉が踊っています。何が正解?これができないと失敗なんじゃないか…?と戸惑ってしまったり、変に完璧主義になってしまいそうになります。

この本では最初に『「住宅は住むところ」ではあるものの、住むという目的のなかにはあらゆる目的が折り重なっている』と断りがあります。そう、結局家は生活をするための場所。「住む」自体にいろいろな目的が含まれているし、そこに住む人の価値観や生活スタイルによっても正解の形は変わってくるはずです。さらに、住む人の生活スタイルが変わることだってあります。となると、そもそも住む人にとって一生涯を通して完璧な間取りは存在しないのではないでしょうか?完璧を目指すのはしんどいし、存在しないならどれだけ無理しても達成できない目標です。

じゃあ100点満点の間取りを目指すんじゃなくて、今の生活に合わせた80点を目指しつつ、将来の変化に対応できる余白・柔軟性を残しておこう!と、私が間取りを考える上での柱になりました。

この本では、キッチン、玄関などスペースの役割、屋根、風通しなどの構造、動線、共有と占有など人の使い方などいろいろな目的の観点から「なぜ、こうすると気持ちがいいのか」を示してくれます。なぜ、がわかるのでこれは自分も取り入れたいな、とか、自分の生活ではこれはあまり考えなくてもいいなという取捨選択もできますし、この方法はうちのスペースだとできないけど、同じような考え方でこうしておこう、と応用が効きます。

片付けの解剖図鑑

2番目におすすめするならこちらの本。1冊めの延長戦のような本ですが、収納の観点から書かれています。タイトルから誤解してしまいそうですが片付け法指南本ではなく、片付けのしやすい家をつくりましょう、という考え方の本です。片付けは一生ついて回るもの。散らかった状態で過ごすのはとてもストレスですが、「頑張って」片付けるのはこれまた苦になってしまうので、片付けやすい家を作っておきたい!と共感しました。収納を考えるときにとても参考になりました。

この本を読んで一番有意義だったのは「空き地」の重要性を知れたことかもしれません。リビングに1坪くらいの何もない壁に面した「空き地」があると、ピアノを買っても安心ですよ、ということが書かれていました。ピアノに限らず、何十年も住む家ですから家を買った頃には思いもしなかった大物を置かないといけないことも十分にあり得ます。その時に重要になるのがこの余白、「空き地」です。私が間取りを考える上で将来の変化に対応できる余白・柔軟性を残したいということは明確になっていましたが、それでも「空き地」を作るというのはこの本を読むまで意識にありませんでした。間取り・家づくりを考えると、どうしても「機能を持たせること」に意識が行きがちです。ですが、後から空間を生むことはとても難しいので、実は「空き地」を意識して作っておくことがとても重要なのかもしれません。もしもこの本を読んでいなかったら、「何もない壁」=勿体無いもの、ムダと考えてあらゆる壁に機能を持たせたり、壁自体を減らしたりしようと考えていたかも知れません。

間取りの方程式

最後のこちらは、間取りだけでなく建築のことをもっと知りたくなった施主もしくは建築家の卵向けの本だと思います。主に家という箱を土地にどう置くか、箱の中をどう区切っていくか、箱をどう家の形にするか、というところの考え方が示されています。具体的に高さは、窓は、こういう寸法が適切だ、というような話も多く、ちょっと施主は口を出せない(半端な知識で出さないほうがいい)部分に関する内容が多いように感じました。しかし、これを読んでおくと設計士さんのプランのこの配置はこういう意図があるのかな?と読み取れることが増えて楽しくなります。

 

もともと、後で後悔しないように基礎・正解を勉強しよう!と本を買ったのですが、誰かの正解が自分の正解とは限らないこと、暮らす人自身も変わっていくのだからどれだけ考えても100点満点は不可能、柔軟性が大事だということを知れて「間取りの正解」という概念から解放されました。長く暮らしていく我が家だから、多くの人にとって一生に一回のことだから、後悔のないようめちゃくちゃ考えるというのは大事ではあると思います。しかし、完璧でないことを受け入れる寛容さも、後悔を感じずに暮らすための一つの要素かも知れないと感じました。

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