あけましておめでとうございます。今年こそ痩せるぞと久々に真面目にダイエットしてた頃にやってた筋トレを再開しましたが、体重が増えて筋肉が減っていたため当時より負荷が上がっていて半泣きのぶんたんです。
今回はお家づくりからちょっと離れて趣味の話です。初自作PCにチャレンジした件、前編です。
目次
Linux機が欲しいなと思い立つ
ここ数年趣味でCTF(Capture The Flag)というセキュリティコンテストに年に一回くらい参加してます。セキュリティコンテストというとなんか強そうですが、クイズとか謎解きみたいな感じで楽しいです。多分脱出ゲームとか好きな人は好きなんじゃないでしょうか。(私は脱出ゲームほとんどやったことないけど。。)
で、昨年はMacbook Air(M1)を会社の先輩にお安く譲っていただいたのでそれで参加したわけですが、配布されたDockerイメージを動かすのに変な罠踏んだり、配布された実行ファイルが動かなかったり、使いたいツールがサクッと動かなかったり…うーん、一般的(x86)なCPUコアのピュアなLinuxサブ開発環境が欲しいな…と思い始めました。まぁそれだけではなかなかお財布の紐を緩めるには至らないのですが、最近お家でもFPGAをいじれる環境が欲しいなと思い始めました。FPGAの開発のためには各ベンダの設計ツールを使う必要があるのですが、これがWindowsまたはLinuxしか対応していません。まぁMacにLinuxの仮想環境を構築してそこで動かすという手はもちろんあるのですが、ある程度大きな容量をそこに割り当てないといけないし面倒な罠を踏む確率も上がります。Windowsでもいいんですが、Windowsお高いので…用途からしてもLinux(Ubuntu)がいいな〜ということになりました。で、最初はお安いOSなしノートPCを探していたんですが、もともと自作PCにも興味があったので、この機会にチャレンジしてみるのもいいのでは?とふと思い立ちました。
さて、自作PCを作ろう!ということですが、ここでなんでもできるPCを目指してしまうと上に際限がないしどんどん費用が高くなっていくんですよ…ぶんたん知ってる…なんでもできて価格も安くなんて無理あるの…ヒィン(=ΦωΦ=)お仕事のいろんな何やかんやが脳内を駆け巡っている顔
予算じゃぶじゃぶな人は最強のマシンを目指せばいいですが、そうでない人はきちんと目的を絞って必要十分で作った方がいいと思いました。私はそうじゃない人なので、目的を絞っていくことにします。
拡張性も大事ではありますが、これもあんまり気にしすぎると選択肢が狭まったり費用が高くなっちゃったり。そしてそこまでして確保したその拡張性、本当に将来使いますか?ある程度割り切って、それで足りなくなったらその時の最新のもので組み直した方が結局安く欲しいものが実現できたりしませんか?せっかくお金かけて拡張できるように作ったんだし、これを活かさないといけないから…みたいに逆にフットワーク重くなっちゃったりするんだよきっと、ぶんたん知ってる…ヒィン(=ΦωΦ=)お仕事のいろんな何やかんやが(ry
ということで、今回は安く自作PCに初チャレンジすることを目的にします。初挑戦なのでスペックはやりたいことができればOKでお安く仕上げておき、知識がついて色々欲が出てきたら数年後に組み直せばいいよねという考えです。
用途と予算、求めるスペックを整理
今持っているメイン機との住み分けを考えつつ、今回作るサブ機に求めるものを整理してみました。
メイン機
- Macbook Air(M1, 2020)
- メモリ 8GB, ストレージ 256GB
- 用途:ネットサーフィン、動画鑑賞、ブログ執筆、Officeソフトを使っての作業など
サブ機(今回作る)
- 用途:FPGA開発、AtCoder(競技プログラミング)、CTFなど
- Linux機が欲しい(AMDのCPUはLinuxと相性悪いらしいのでやめとく)
- CTFで使う用に一般的(x86)なCPUの環境が欲しい(ARM Coreはやめとく)
→CPUはintel core iシリーズ - FPGAの設計ツール使うのであまりに古いCPUは避けたい、4コアは欲しい
→core i3かi5の9世代以降 - 描画能力はいらない(グラボはいらない)
- 予算 ¥50,000
各パーツに予算を振り分けてみます。
パーツ | 予算 | 備考 |
CPU | 8,500 ~13,500 |
中古でもいい core i3 or i5 |
マザーボード | 10,000 ~15,000 |
CPUに合わせて選択する あまり古いCPUだとマザーボードの選択肢が少なく困るらしい |
メモリ | 6,000 | 中古でもいい 8GB~16GBくらい? |
ストレージ | 6,000 | SSDがいいのかな 256GB~くらい? |
CPUクーラー | 4,500 | とりあえず付属品を使ってなしにするか、CPUがバルク品なら安いやつ |
電源 | 6,000 | |
ケース | 4,000 | 中古でもいい |
合計 | 50,000 |
壊れやすさから、中古でいいパーツ、新品の方がいいパーツがあるそうです。中古でも良さげなものは表にその旨を記載しました。
が、うーん…これは予算がちょっと厳しい気がする…
CPUが10世代以降くらいだとそもそも新品とそれほど変わらないお値段。だからといってそれ以前だと対応するマザボがあまり売ってない。そして人は欲に抗えないもので、もともとCore i7 3720QM 2.60GHz (=core i7の第3世代)中古ノート¥13,860とか見てこれでいいやん、とか思っていたくせに、色々調べているうちに10世代以降くらいが良いんじゃないかなぁとか思い始めます。うーん。まぁある程度目星をつけたので、あとはプロに相談することにします。
いざゆかん秋葉!パーツ購入へ
PCパーツ屋さんなんて、素人が足を踏み入れていいのか?とか思ってたんですが、むしろ初心者こそ実店舗で店員さんに話を聞くと良いよという情報をネットで見かけたので秋葉原へ足を運んでみました。休日は混み合ってそうだし、有給を取って平日の秋葉へ行ってみました。
昼過ぎに到着しローストビーフ丼でお腹を満たしたのち、まずは名前をよく見るツクモeX.さんに入ってみました。intel NUCもあって、これも選択肢としてありかな…コンパクトだし。などと思いながらウロウロしていると、店員さんに何かお探しですか?と声をかけられました。
若干キョドりつつも、初自作PCにチャレンジしたい、用途はプログラミングなどのためグラフィック性能は不要、Linux使うのでCPUはCore iシリーズで予算は実現可能かわからないけど5万円くらいで一式探していると伝えました。
それでは一通り説明しながらご案内するので候補を選んでみて、それで一旦見積もってみましょうか!と快く案内してくれました。神…
選んだパーツを紹介します。
CPU
予算と用途的にcore i3の12世代か10世代ですかね〜、と価格表を見せてもらったところi3はi5はで価格差は2000円程度…で、性能差は1.5倍近い。どちらも予算オーバーなんですが、この価格差でこの性能差だったら12世代にしておきたい。(正直今の私の用途だとどちらでも十分だとは思いますが)
また、基本的にはソケットは二世代で共通なので、12,13世代、10,11世代のCore iシリーズはそれぞれ共通のマザーボードが使えます。CPUをグレードアップさせることを考えたとき、10世代のi3を選ぶと選択肢は11世代のi9〜10世代のi5までですが、12世代のi3にしておけば13世代のi9〜12世代のi5までとなるため、この先仮にマシンパワーが必要になった時もCPUのグレードアップで対応できる可能性が高くなり長く使えるんじゃないかと思いました。
とりあえず積み上げてみて、あまりにも予算オーバーなら後から調整するという方針でCore i3 12世代を選択。
PCケース
続いてケースを選びました。可能ならデスク横のラックに収めたいという希望があり、グラフィックカードも不要なので、いわゆるコンパクトタワーサイズで探しました。一番最初に見繕ったのは確か4000円くらいの、お店にあった中で一番安いケースでしたが…悩みに悩んでこっちにしました。
少し高価なんですが、元々選んでいたものより一回り小さく、これならラックにぴったり入りそうだというのが理由です。外観ももう一方はてかっとしたプラスチックなのに対し、こちらはマットなアルミがメインのボディで片面をガラスパネルにすることも可能。組み立て時に気づきましたが、ネジが可能な限り外に見えない構造になっていてシュッとしてます。(比較的)高価な分、かなりスタイリッシュでした。今回は価格を抑えるため、性能に影響しない外観(PCケース)は1番のコストカット対象だったのに結局ちょっと良いものを買ってしまったので、帰り道は「ケースは安い方でよかったかなぁ…」と結構後悔気味だったんですが、組み立て始めて「あれ?!やっぱりこれめっちゃかっこいいわ!」組み上がって「置き場にぴったりサイズじゃん!!」と、いちいちテンション上がりました。結果的にはこれにしてよかった〜!という気持ちでいっぱいです。いぇい。
電源
Smart BX1 PS-SPD-0450NNFAB-J1
こだわり無しなので、とにかく安い電源を選びました。パワーが足りるかは店員さんに確認してもらいました。
マザーボード
Micro-ATXサイズ、LGA1700(intel 12,13世代対応)で探しました。
大きいマザーボードほど各種スロット数が多く拡張性が高いのですが、今回は拡張性<サイズなので、選んだPCケースに収まるMicro-ATXサイズです。候補はこれともう一種あったんですが、そちらよりこっちの方がグレードが上だけどセールで同じくらいの価格になっていた…のでこれを選びました。正直まだマザーボードの良し悪しよく分かっていません。
メモリ
DDR4メモリ。選択肢は8GBか16GBか…でしたが、確か1000円くらいしか変わらなかったので16GBにしておきました。
ストレージ
種別としてはM.2 NVMeとSATA SSDの二択でした。M.2は高いんだろうな〜と思ってたんですが、意外にもたいして価格が変わらなかったのでM.2を選びました。こちらの方が新しい規格で高速、ケーブルも不要なので嬉しいです。容量は250GBか500GBか…というところでしたが、確か1000円程度しか変わらなかったので500GBにしました。
余談ですが、500GB?512GBじゃなくて?と容量が2の乗数じゃないことに違和感を感じたのですが、端数は予備領域に使われているようです。なるほど。というか、そもそも512GBも2の乗数じゃないなってことに気づきました。512GiBが2の乗数ですね…あれ、でもSDカードとかUSBメモリとか8GBとか4GBとかの表記だったとおもうけどアレは一体、と思ったら例えばこのページでは「※1GBあたり1024MBで計算しています。」との記載がありました。
なるほどなるほど、このページの場合「GB」表記だけど実際の中身は「GiB」と…
Windows OSでハードディスクの容量を確認すると公称より低い値に見えるそうです。それはWindowsが容量計算する上での1KB=実際は1024Bだから。つまりWindowsが言う1KB=実際は1KiBということですね…
キレそう。なぜ1K=1000と決まっているのに1KB=1024Bとしてしまうんだ。意味が変わってしまってるじゃないですか。「ギガが減る」とか「ギガを買う」くらい違和感がある。(っていうか、本来の意味から逸脱してる)1KiB=2^10B=1024Bっていう単位がちゃんと存在するのに…納得いかない…。
パーツお買い上げ、予算との比較は?
さて、一通り揃ったところで元々の予算と比較してみます。
パーツ | 予算 | 購入品[メーカー] | 価格 | 備考 |
CPU | 8,500 ~13,500 |
Core i3 12100 BOX[Intel] | 18,619 | core i3 or i5 |
マザーボード | 10,000 ~15,000 |
B660 Pro RS[ASRock] | 14,528 | |
メモリ | 6,000 | Crucial 16GB Kit (2 x 8GB) DDR4-3200 UDIMM[Micron] |
5,819 | 8GB~16GBくらいと考えてた |
ストレージ | 6,000 | EXCERIA G2 SSD(500GB)[KIOXIA] | 4,982 | 256GB~くらいと考えてた |
CPUクーラー | 4,500 | – | – | CPU付属品を使うのでなし |
電源 | 6,000 | Smart BX1 450W[Thermaltake] | 4,073 | |
ケース | 4,000 | SAMA IM01[サイズ] | 8,619 | |
合計 | 50,000 | 56,640 |
結果、ちょい予算オーバーという感じになりました。「1000円くらいしか変わらないから容量大きい方にしておきました」のメモリとストレージ、そして迷った末に奮発したPCケースを全部安い方の選択肢にしておけば予算に収まって、それでも元々求めていたスペックはクリアできますね。
しかし、各1000円程度の差でメモリやストレージは安い方に比較して倍の容量になってるので、ここは無理矢理予算に収めるより背伸びしてコスパ良いんじゃ無いかなと思っています。正直、これくらいのスペックで、しかも全部新品で揃えるとなるともっと予算オーバーするんだろうなぁと考えていたのでこの価格なら大満足です。価格下げるために中古パーツも探すつもりだったけど、初めてなので全部新品でいけるならその方が安心に違いないです。(何か問題が起きた時に、中古部品が混ざると問題箇所の特定が難しくなると思います。)
本当はいろんな店舗を回ったりネットショップも確認して、各パーツ最安の店舗で買い集めればさらにもう少し安くなったかもしれませんが、店員さんにこれほど良くしてもらってさすがにそれは申し訳なさすぎてできませんでした。相談料ですね。
ということで、大満足でお買い上げ!わーい!
ここで、お店の延長保証をどうするかと聞かれました。普通は組み立て中に壊してしまった場合メーカー保証外ですが、このような場合にも対応してもらえるとのことで、対象はCPUとマザーボード。大変悩みます…
「店員さんに聞くのもアレなんですが、正直どうですか?つけた方がいいですかね?自作初心者だと結構ありがちな事故ですか」と聞いてみると「うーん…正直CPUを壊すことはあまり無いと思います。かなりの衝撃与えるとかしないと壊れないので…マザーボードは扱いに慣れていない方だとピンを折っちゃった、みたいなのはまぁ時々ありますね」慣れていない人…仕事柄基板触ったりしているし、多少扱いに慣れている方ではあるのでは、と思いかけましたが、学生時代に実験で使うICの足(しかもVcc)を初手で折ったことを思い出したのでマザーボードのみ延長保証をお願いしました。
配送もできますがどうしますか?と聞かれ一瞬迷いましたが、わくわくでいっぱい、早く持ち帰って組み立てたいという気持ちで元気よく持って帰ります!と答えました。
これだけが今回の自作PCチャレンジ唯一の大失敗でした。紙袋に購入したパーツをまとめてもらって、よし、これくらいなら行けるな〜と思っていたら、PCケースは別箱でした。なんとかいけるか…?と思ってしまったんですが、この時点で諦めて、PCケースだけでも配送をお願いすればよかったです。帰宅して計ってみたら、PCケース6.75kg、残りのパーツが入った紙袋3.95kg。しかもこの持ち方肩にめちゃくちゃきます…
秋葉から神奈川の自宅まで電車で帰りました。ツクモから秋葉駅の時点でこれはヤバいと気づきましたが、もう戻ることはできませんでした。帰りの電車はまだ帰宅ラッシュ前で座れたのが幸運でしたが、自宅最寄駅から自宅までが地獄でした。帰りは荷物が重いだろうと見越して原付で最寄駅まで来ていたんですが、
載らない。絶望。
1km弱、しかも登り坂を少し進んでは休憩、少し進んでは休憩しながら帰りました。
せっかくこんなに必死に持ち帰ったのにヘトヘトで組み立てどころではないです。結局数日寝かせておく事になり、ここまでして当日に持ち帰った意味とは…しかも次の日の朝、起き上がれないほどの肩から背中にかけての筋肉痛でびっくりしました。みなさん、PCパーツはかさばるし重いです!車で買いに行くか、自宅に配送してもらいましょう。
組み立ては後編へ続きます!